エンジニアのためのマネジメントキャリアパス

エンジニアノタメノマネジメントキャリアパス

テックリードから CTO までマネジメントスキル向上ガイド

エンジニアのためのマネジメントキャリアパスの表紙
エンジニアのキャリア / 思考
著者:
Camille Fournier / 武舎 るみ / 武舎 広幸 / 及川 卓也(カミル フルニエ / ムシャ ルミ / ムシャ ヒロユキ / オイカワ タクヤ)
価格:
¥2,860
出版社:
オライリー・ジャパン
出版日:
2018年09月26日頃
ISBN:
9784873118482
在庫:
1
判型:
単行本
4.3(40 件 / 楽天ブックス)
中級者向け
テクニカルマネジメントリーダーシップ開発エンジニアリングマネジメントキャリア開発チームリーダーシッププロジェクト管理組織リーダーシップメンタリングCTO 役割技術者からマネージャーへの移行

なぜ注目されているか

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書籍紹介

IT 業界でのマネージャーに向けた技術部門をリードするための本!
テックリードから CTO になった経験を持つ著者 Camille Fournier が、自らの体験を元にエンジニアからテクニカルマネジャーになるための道のりの各ステージについて解説する書籍です。人のメンタリング (育成・指導)、テックリードとしてのプロジェクトの管理、複数のチームの管理、マネージャーを管理する方法、CTO の役割など、技術者からマネージャー、リーダーと立場が変わる際に求められる役割と考え方について紹介し、具体的なアドバイスを紹介しています。

技書の森解説

テックリードを任された、あるいはチームのマネージャーに就いたものの、何をすれば役割を果たしたことになるのかが分からない。『エンジニアのためのマネジメントキャリアパス』 (Camille Fournier 著、武舎 広幸、武舎 るみ 訳、及川 卓也 まえがき、オライリー・ジャパン、2018 年 9 月刊) は、そうした技術系マネージャーと、これからその道を目指すエンジニアに向けて、管理職の各段階で求められる役割とスキルを順に解説した本です。原書は The Manager's Path で、副題は「テックリードから CTO までマネジメントスキル向上ガイド」。版元の紹介によれば、著者はテックリードから CTO になった経験を持ち、自身の体験をもとに職務を一段ずつ定義していきます。

メンタリングから CTO と文化の構築まで、全 10 章の構成

構成はキャリアの段階に沿っています。1 章「マネジメントの基本」で上司に何を求めるか、どう管理されるかという管理される側の視点から入り、2 章「メンタリング」でチームの新人を育てる役割、3 章「テックリード」でプロジェクトの管理と、技術職を貫くか管理職へ進むかの決断を扱います。4 章「人の管理」は 1-1 の進め方や継続的なフィードバック、勤務評価、成績不振者の解雇までを含み、5 章「チームの管理」は機能不全に陥ったチームのデバッグやチームの意思決定の主導、6 章「複数チームの管理」は時間の管理と委任へ進みます。7 章「複数の管理者の管理」はスキップレベルミーティングや管理者の採用、期日の見積もり、8 章「経営幹部」は技術担当バイスプレジデントと CTO の役割や戦略の策定、9 章「文化の構築」はコアバリューの活用やキャリアラダーの作り方を扱い、10 章「まとめ」で締めくくります。各章の末尾には自己診断用の質問リストが置かれ、多くの章に良い上司と悪い上司を対比する節があるのも特徴です。

技術者からマネージャーへの移行が難しい理由

エンジニアとして評価されてきた人がマネージャーになると、成果の測り方そのものが変わります。自分でコードを書いて問題を解くことから、人が問題を解ける状態を作ることへ仕事の中心が移り、その成果は数週間から数か月遅れて、しかも他人の仕事を通してしか見えません。さらに、テックリード、チームの管理者、複数チームの責任者、経営幹部では、同じ「マネジメント」でも扱う時間の幅と意思決定の重さがまったく異なります。本書が役職ごとに章を分け、段階ごとに何を手放し何を新しく引き受けるかを示しているのは、この違いを混同したまま昇進すると、前の段階で通用したやり方に固執して失敗しやすいからです。3 章の プロジェクトの管理 と、7 章以降の組織の不確実性への対処を読み比べると、責任の範囲が広がるほど判断の材料が技術から人と組織へ移っていく流れがよく見えます。

2018 年刊の翻訳書としての前提と、向かない目的

刊行は 2018 年で、原書は米国の IT 企業の職位と組織を前提にしています。技術担当バイスプレジデントのような肩書や、評価と解雇の進め方は、日本の企業の人事制度とそのまま一致しない場面があり、自社の仕組みに読み替えながら使う姿勢が必要です。また本書は管理職の役割と振る舞いを段階ごとに整理した本で、チームの境界や組織の形そのものを設計する方法を求めるなら、チームトポロジー のような組織設計の考え方を扱う本のほうが目的に合います。チームの中で他人とうまく働くための心構えに絞って読みたいなら、同じ版元の『Team Geek』のほうが入りやすいでしょう。役割の段階に合わせて本を選び分けたい場合は、チーム開発とマネジメントの本の選び方 が手がかりになります。

一方、テックリードへの打診を受けて迷っている人、1-1 や評価を初めて担当する人、管理者を部下に持つ立場になった人にとって、本書は自分がいま立っている段階と、その次の段階を見通すための地図になります。各章の自己診断用の質問リストを使えば、自分に足りない点を具体的な問いとして確かめられます。マネジメントのキャリアを進むか迷っているエンジニアこそ、決断の前に手に取る価値のある一冊です。

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