3DCG の数理と応用

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3DCG の数理と応用の表紙
デザイン / グラフィックス
著者:
三谷 純 / 高山 健志 / 土橋 宜典 / 向井 智彦 / 藤澤 誠(ミタニ ジュン / タカヤマ ケンシ / ドバシ ヨシノリ / ムカイ トモヒコ / フジサワ マコト)
出版社:
コロナ社
出版日:
2023年06月21日
ISBN:
9784339013719
シリーズ:
メディアテクノロジーシリーズ 1
在庫:
在庫あり
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中級者向け
3D グラフィックスデザイン・グラフィックスCG3DCG数学モデリングレンダリングキャラクタアニメーション物理シミュレーションコンピュータグラフィックスグラフィカル・プログラミング

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書籍紹介

【読者対象】
本書は, 理工系の大学生や大学院生を主な読者対象としていますが, 3DCG 技術に興味のある高校生や社会人, ゲーム制作会社のエンジニア, 研究者など, 幅広い読者にも役立つ内容となっています。

【書籍の特徴】
本書で取り扱う内容は 3DCG の基礎となる内容です。しかしながら, 基礎だから簡単というわけではなく, 類書に比べると数学的に高度な内容を含むものとなっています。本書では, 3DCG を支える技術を「モデリング」「レンダリング」「キャラクタアニメーション」「物理シミュレーション」といった四つに分け, それぞれ独立した章で解説します。この四つの技術を, もう少し平易な言葉で表現すれば, 形を作る・映像を作る・動作を作る・自然界の挙動を再現する, と言い換えることができます。それぞれを各分野の第一線で活躍する研究者が担当しました。

【各章について】
「モデリング」の章では, 物体の形状をサーフェスメッシュによって記述し, それを編集・加工するための諸理論を解説します。

「レンダリング」の章では, 物体表面の輝度計算に焦点を当て, 実写並みの映像を生成する大域照明計算手法, 事前計算を用いた高速画像生成法などを解説します。また, リアリズムを向上させるために必要な光の散乱といった物理現象についても説明します。

「キャラクタアニメーション」の章では, アニメーション制作における標準技法であるスケルトン法について紹介し, 人型を模したキャラクタモデルのためのさまざまなアニメーション編集技術を解説します。

最後に「物理シミュレーション」の章では, 硬い物体だけではなく, 水や空気のような流れる物体を含む, 複雑な自然現象の挙動を計算で求めるための手法を解説します。

【著者からのメッセージ】
コンピュータは長い間, 科学技術計算やバックオフィスなどの用途を主として使われてきましたが, パーソナルコンピューターやゲーム機が我々の日常生活の中でも使用されるようになったことで, エンターテイメントを目的とした幅広いアプリケーションが開発されるようになりました。コンピュータの性能の向上に伴い, あたかも現実世界が画面の中に広がっているかのような映像を作り出すことに対するニーズが高まると, 3DCG はなくてはならない技術となりました。今日では, ゲームや映画, または広告や VR 体験などにおいて, 3DCG をベースとしたサービスがさまざまに誕生しています。

このような 3DCG 技術も, 一朝一夕で登場したわけではありません。コンピュータグラフィックス誕生からの長い期間における, 地道な技術開発の積み重ねがありました。その果実を今, 私たちは手にしているわけです。このような 3DCG 技術を高度に使いこなし, さらにその発展に貢献しようと考えるのであれば, その基礎を支える技術に対する理解が必要になります。そのような必要性に応えるために, 本書が執筆されました。3DCG 技術を支える理論に興味のある方々に, 本書を手に取っていただけたらと思っています。

技書の森解説

『3DCG の数理と応用』 (三谷 純 編、高山 健志、土橋 宜典、向井 智彦、藤澤 誠 著、コロナ社、2023 年 7 月刊) は、3DCG を支える技術を「モデリング」「レンダリング」「キャラクタアニメーション」「物理シミュレーション」の 4 つに分け、それぞれの背後にある数理を独立した章で解説する教科書です。コロナ社のメディアテクノロジーシリーズの 1 巻目にあたります。版元の紹介文は、扱うのは 3DCG の基礎となる内容だが、基礎だから簡単というわけではなく、類書に比べると数学的に高度な内容を含むと説明しています。CG ツールを使う側から、手法を理解して実装や研究に進む側へ移りたい人に向けた一冊です。

形と光と動きと自然現象、全 4 章の構成

第 1 章「サーフェスメッシュによる形状処理」は、ポリゴンメッシュによる形状表現とそのデータ構造から入り、ラプラシアンを使ったスムージング、UV 展開、調和関数や As-Rigid-As-Possible の考え方による変形へ進みます。第 2 章「レンダリング」は、反射特性と光源の輝度計算から始まり、レンダリング方程式、ラジオシティ法、パストレーシング法、フォトンマップ法といった大域照明の手法、イメージベースドライティングを含む事前計算付きの高速レンダリング、光の散乱現象のモデルを扱います。章の後半には「高度なレンダリング技術」として、深層学習とレンダリング、微分レンダリングの節も置かれています。第 3 章「キャラクタアニメーション」は、スケルトン法とジョイント階層構造、座標変換、フォワードキネマティクスを土台に、インバースキネマティクス、モーション変形、データ駆動型のモーション編集へ展開します。第 4 章「物理シミュレーション」は、剛体の衝突検出と衝突応答、弾性体、ナビエ・ストークス方程式に基づく流体の格子やメッシュを使う手法と粒子を使う手法を取り上げ、その他の自然現象のシミュレーションで締めくくります。刊行時の略歴によれば、編者の三谷 純は筑波大学システム情報系の教授で形状モデリングを研究しており、第 4 章は物理シミュレーションを研究する藤澤 誠が担当しています。

離散化と数値解法から見た CG の数理の背景

CG の手法の多くは、連続的な数学の問題を離散化して計算機に載せたものです。メッシュのスムージングは、曲面上のラプラス作用素を三角形の網の上で近似する問題として書け、どの近似を選ぶかで形の縮み方や歪み方が変わります。写実的な画像の生成は、表面の各点から出ていく光の量を、入ってくる光の積分として表すレンダリング方程式をどう近似するかという問題に帰着します。パストレーシング法はこの積分をモンテカルロ法で推定し、フォトンマップ法は光源側から追った光を蓄えて再利用するため、画像に残るノイズと推定の偏りのどちらを受け入れるかという設計判断につながります。手先の位置から関節の角度を逆算するインバースキネマティクスは最適化問題として定式化でき、流体の動きは偏微分方程式の数値解法として扱われます。ゲーム開発 で使うエンジンはこうした計算を内部に抱えており、式の意味が分かっていると、パラメーターの調整や不具合の切り分けを根拠を持って進められます。物理に基づく計算を 深層学習 で近似したり補ったりする手法も、同じ数理の上に組み立てられています。

解析学と線形代数学が前提、学部高学年と大学院の学生向け

まえがきは、理工系の大学で学ぶ解析学と線形代数学の基本的な知識が求められるとし、連続体力学と流体力学の基礎、最小二乗法などの数理最適化の知識もあると読み進めやすいと述べています。主な読者は理工系大学の高学年や大学院の学生で、3DCG を支える理論に興味のある高校生や社会人、ゲーム制作会社のエンジニア、3DCG を研究の対象にしようと考えている人にも手に取ってほしいとしています。線形代数や微積分に不安がある場合は、その教科書を並行して開ける状態で読み進めると負担が減ります。

逆に、モデリングツールやゲームエンジンの操作を覚えたい段階の人には目的が合いません。本書の主題は画面上の操作ではなく、その背後で動いている計算の原理です。CG のソフトウェアを自分で実装したい技術者や、CG の研究室に進んで論文を読み始める学生にとって、形と光と動きと自然現象という 4 つの柱を同じ数理の言葉でたどれる本書は、専門の論文へ進む前の足場として手元に置いておける一冊です。

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