エッセンシャルスクラム

エッセンシャル スクラム

アジャイル開発に関わるすべての人のための完全攻略ガ

エッセンシャルスクラムの表紙
ソフトウェア工学 / 設計
著者:
ケネス・S.ラビン / 岡澤裕二(ラビン, ケネス・S. / オカザワ, ユウジ)
出版社:
翔泳社
出版日:
2014年07月
ISBN:
9784798130507
シリーズ:
Object oriented selection
在庫:
在庫あり
4(6 件 / 楽天ブックス)
初級者向け
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書籍紹介

基礎から本質まで。スクラムフレームワークのすべてをマスターするための原則と価値、議論と語彙を体系化した入門書にして大全でもある必携の一冊。

技書の森解説

『エッセンシャルスクラム』は、スクラムの原則と役割、計画の立て方、スプリントの回し方を 1 冊にまとめて体系化した、アジャイル開発に関わる人のための解説書です。原書は Kenneth S. Rubin の ESSENTIAL SCRUM で、日本語版は岡澤 裕二、角 征典、髙木 正弘、和智 右桂の訳により、翔泳社 (Object Oriented SELECTION) から 2014 年 7 月に刊行されました。副題は「アジャイル開発に関わるすべての人のための完全攻略ガイド」です。版元の紹介は本書を「基礎から本質まで。スクラムフレームワークのすべてをマスターするための原則と価値、議論と語彙を体系化した入門書にして大全でもある必携の一冊。」と説明しています。

4 部構成、コアコンセプトから役割、プランニング、スプリントへ

目次は 4 部に分かれています。第 1 部「コアコンセプト」には「スクラムフレームワーク」「アジャイルの原則」などの章が、第 2 部「役割」には「プロダクトオーナー」「スクラムマスター」などの章が置かれています。第 3 部「プランニング」には「スクラムのプランニングの原則」「さまざまなレベルでのプランニング」などが、第 4 部「スプリント」には「スプリントプランニング」「スプリントの実施」などが並びます。考え方の土台を先に置き、次に誰が何に責任を持つのかを定め、そのうえで計画と日々の実行へ降りていく順序です。なお版元ドットコムの目次は各部の章を一部だけ挙げているため、ここで触れた以外の章立ては一次資料で確かめられていません。

経験主義と短い反復というスクラムの技術背景

スクラム は、先の見通しが立ちにくい複雑な仕事を、期間を区切った短い反復で進めるための枠組みです。最初に全体を詳細に計画しきるのではなく、一定の期間ごとに動く成果を作り、その結果を見て次に何をするかを決め直します。この進め方は、計画どおりに進まないことを前提に、検査と適応を仕組みとして組み込んだ点に特徴があります。難しいのは、枠組みの規則そのものより、誰が優先順位を決めるのか、作業の量をどう見積もるのか、どの粒度で計画を持つのかといった運用の判断です。プロダクトバックログの項目を利用者の視点で書く ユーザーストーリー のような書き方も、こうした判断を支える道具の一つとして広く使われています。スクラムは アジャイル な開発手法の代表的な枠組みの一つであり、規則の要約だけでは見えにくい判断の理由を知ることが、現場で使いこなす近道になります。

2014 年刊とスクラムガイド 2020 年版の関係

スクラムの公式な定義であるスクラムガイドは、本書の刊行後に 2016 年版、2017 年版、2020 年版と改訂が続きました。改訂履歴によれば、2020 年版ではプロダクトゴールという概念が導入され、チームの中に別のチームがある形をなくして、プロダクトオーナー、スクラムマスター、開発者という 3 つの責任を持つ 1 つのスクラムチームとして整理されました。デイリースクラムの 3 つの質問の削除など、規範的な記述を減らす変更も加えられています。本書はこの改訂より前の刊行なので、用語や整理の仕方を 2020 年版のスクラムガイドと突き合わせながら読むと、現場の議論とのずれを避けられます。

本書が合うのは、プロダクトオーナーやスクラムマスターを任された人、スクラムを導入するチームの開発者や管理者で、規則を覚えるだけでなく、その背後にある原則と、計画や実行の判断を支える語彙を体系的に身につけたい人です。スクラムガイド 2020 年版の規則だけを短時間で把握したい場合は、公式のガイドそのものを読むほうが早道です。チームでの議論のたびに立ち返る共通の参照先を持ちたい人にとって、原則から役割、計画、スプリントまでを 1 冊で通して扱う本書は、手元に置いておく価値のある大部の解説書です。

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